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水底【みなそこ】の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

07/11/2020 21:00:50, , Raymond Chandler

によって Raymond Chandler
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内容紹介 私立探偵フィリップ・マーロウは、香水会社の社長から行方知れずの妻の安否を確認してほしいと頼まれるが……。旧題『湖中の女』 内容(「BOOK」データベースより) 私立探偵フィリップ・マーロウは化粧品会社の経営者ドレイス・キングズリーのオフィスに呼ばれた。ドレイスの妻はどうやら男と駆け落ちしたようだ。マーロウは妻の安否確認を依頼され、その足取りを追うことになる。しかし、たどり着いた湖の町でマーロウが見つけたのは、別の女の死体だった。行方知れずの社長の妻となにか関係があるのか?マーロウの調査はベイ・シティーの深い闇をえぐる―旧題『湖中の女』の新訳版。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) チャンドラー,レイモンド 1888年シカゴ生まれ。1933年に短篇「ゆすり屋は撃たない」で作家デビューを飾る。1939年には処女長篇『大いなる眠り』を発表。1953年に発表した『ロング・グッドバイ』(以上早川書房刊)で、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞に輝いた。1959年没。享年70 村上/春樹 1949年生まれ、早稲田大学第一文学部卒、小説家・英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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レイモンド・チャンドラーによる〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ4作目“THE LADY IN THE LAKE”(1943)の新訳版。訳書としては、村上春樹による新訳〈マーロウ〉シリーズの末尾を飾ります。チャンドラー作品にしてはめずらしく、読了後にあらすじを簡単に言えるくらいシンプル。チャンドラーはもともと「巧みなプロット」とは縁遠い作家ですし、いつも物語のたたみ方が強引ですが、プロットがシンプルな分、物語のたたみ方がより目立つ作品です。くわえて全体的にキャラクターの造形が彫り込み不足という印象。チャンドラー世界の住人特有の魅力に欠けています。エゴ、傲慢さ、虚栄心、執着などの人間の醜さや愚かしさをキャラクターへと、ときに冷徹に、ときにユーモラスに描きこんでいく筆致に、いつもより冴えが見られません。女性キャラクターは総じて書割的とまで言っていいかもしれません。それでも完成までにかなり苦労した作品だったようなので、仕方がないところでしょうか。とはいえ、イメージを鮮やかに喚起し、チャンドラー作品を読んでいるという実感を強く感じられる描写になんども出会えます。ウィットやアイロニーたっぷりの会話の妙も堪能できます。訳者があとがきで言及しているように、歴史的な視座をもって「準古典文学作品」として評価すれば、つまり「ミステリー」というジャンルの枠を取り払い、ひとりの文学作家の作品群のひとつとして読めば、多少の瑕疵は気にならないでしょう。本作のマーロウは譲れないモラルや矜恃をうちに秘めつつ、ヒロイズムを抑え、誰にも肩入れせず、淡々と事態を観察しています。あらためて新訳で読み直してみると、その視点は、「ハードボイルド御三家」のひとりロス・マクドナルドの〈私立探偵リュウ・アーチャー〉シリーズにおける「社会の観察者」としての視点へと受け継がれていくのかなとも思いました。

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